03 FEB. 2022
うつわから始まる
4人の老婦人の
小さな物語。
photo: Mie Morimoto
stylist: Miwako Tanaka
text: Akane Watanuki
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薔薇とお茶のロマンティックな邂逅
孫たちが遊びに出かけた午後が、クリスティーナの読書の時間。お茶を準備し、少女の頃から愛読してきたキーツの詩集を開く。人生を薔薇にたとえたその美しい詩と、カップににじんだ淡いピンクの薔薇が、いつの間にか囁き合って。温かな湯気とともに、光を浴びた一説一説が、ふわり、ふうわり。部屋に広がる芳しいアールグレイティーの香りが、彼女をポエティックな夢の世界へと誘い出す。

Satoko Sai + Tomoko Kurahara
(サトコサイ・プラス・トモコクラハラ)
2002年より共同制作を開始。
陶器を媒体に、風景・場所・ 記憶などをキーワードに版画や写真などの要素を取り入れた表現を 探究している。
型や転写など量産の技法を使いながら、 全ての工程を手で行うことで生まれるゆらぎやかすれなどの表情を 特徴とした器を作っているほか、
アートプロジェクトも継続して行なっている。