INTERVIEW

大森商店のこと - 1

AMB100貨での販売も3シーズン目に突入した大森商店の傘。

大正時代から続く老舗の傘屋さんに新しい風を運んできたのは、

ひいお爺様、お爺様、お父様と続いてきた家業に携わっている大森結花さん。

ずっと引き継がれてきた職人さんのこと、ハンドルのデザインのこと、

これからの大森商店のこと、聞かせていただきました。

01.

家業を引き継いで

大森商店さんは老舗の傘屋さんなんですよね。この場所でずっとお店をされているのですか?

はい、私の曾祖父が、馬喰町の傘問屋に丁稚奉公(でっちぼうこう)し、独立後に露天商をしていたのが始まりです。祖父がハンドルや傘の部品製造卸業をはじめ、父が20年前にこのお店をつくりました。少しですが傘のOEM事業もはじめ、現在に至ります。今は毎日ではなく不定期オープンしていて、営業日には私がお店にいます。

お客様とご相談しながら傘とハンドルを一緒に選んで販売し、修理もこちらで承っています。

修理にいらっしゃる方も多いんですよ。

ハンドルの修理ですか?壊れるまで使いこまれる方もいらしゃるんですね。

とくに合皮のハンドルだと、表面がめくれてしまったりということが多いんです。

付いているハンドルを外して、傘に合わせてハンドルを選んでいただき、2週間ほどおあずかりして修理しています。大森商店で販売している傘でなくても付け替えることができるので、お手持ちの傘もちょっと雰囲気が変わって新鮮になるのでおすすめです。(サイズや形によりできないものもあります)

修理で長く使えるのはとても嬉しいですね。結花さんはこのお仕事をされてどのくらいになるのですか?

もうすぐ5年になります。

いつかは家のお仕事をされるつもりで?

いえ、そんなつもりは全くありませんでした。

学生時代は服飾のことを学んでいて、家の仕事とは関係ないところに就職して働いていました。幼い頃はよく、父について社内で職人さんの仕事を目にすることがあったのですが、いつもとちょっと違うところに遊びに行っているような感覚で・・・。自分がその仕事に関わるということは想像してなかったです。

だからまだ知らないこともたくさんあって、今は職人さんに色々教えてもらいながら、ですね。

そうなんですね。始めるきっかけはあったんですか?

なんとなく、やってみようかなという気持ちになってきて。

もともと服飾のことを学んでいたし、素材を見ることが好きだったんですね。それで、ハンドルとか傘の素材を改めて見てみると、とても魅力的で面白いなと気がつきました。職人さんのところに行くと、今はもう作られていないデットストックのハンドルや、作品のように木を彫って作られていて値段もつけられないようなものがあったりするんです。

それを見てこれを傘につけたら素敵だろうな、自分で持つのだったらこういうものが欲しいな、と思ったことがきっかけですかね。それで、今まで大森商店ではハンドルを傘屋さんに卸すということがメインだったのですが、ハンドルと組み合わせた傘を販売したらどうだろうと思って、オリジナルの傘を作るようになりました。

02.

ハンドルを主役に

結花さんの欲しいものが形になったんですね。

傘の部分に色や柄があるものって見かけるように思うのですが、無地のシンプルな傘に色々なハンドルがついているってあまり見かけない気がしたんです。可愛いし面白いな、やってみよう!という感じで始めました。

基本的に無地のシンプルな傘につけているので、性別とか年齢を限定せずに色々な方に使っていただけるかなと思っています。

最近は手捺染や刺繍でオリジナルの柄の生地を作って傘にすることにも挑戦中です。

確かに無地の傘だと飽きることもなく長く使えるのもいいですよね。たくさんの種類のハンドルがあって、迷ってしまいますが、見ていて飽きないです。結花さんがデザインもされているのですか?

デザインというほどではないのですが、もともと昔から作っていたハンドルをもとに、今自分が使いやすいもの、可愛いと思う形になるように少しずつアレンジをお願いするものが多いです。

「もう少し全体のサイズを小さくして欲しい」とか「長傘のハンドルを折りたたみでもつけられるように」とか「違う素材を組み合わせて欲しい」とか。職人さんもご高齢な方が多く、現役の方も少なくなってきていて、「もう目も悪くなっているしできない」って言われることも多くなってきて。でも、どうにか形にするために何度もトライしてくださるんです。そのおかげで新しいものが少しずつ増えてきました。

このアクリルと木を組み合わせたハンドルも、初めは使っているうちに木とアクリルが外れてしまっていたのですが、中にネジを入れ込んでもらって外れることがなくなったんです。

職人さんとのおつきあいも、おじいさまやお父様の時代から続いているということですもんね。

そうですね。長くお世話になっていて、じっくりコミュニケーションが取れるからできるということもたくさんあります。本当にありがたいです。みなさんご高齢ですが、一度伝わるとものすごく手が早くて!さすが熟練の職人技という感じで、想像よりずっとスムーズにできることもあるんですよ。

みなさんにずっと元気でいていただいてきたいなと思います。

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